
ベニカXガード粒剤とオルトランDX粒剤の違いは何ですか?
お庭の草花や花木、家庭菜園を育てていると、アブラムシなどの害虫は避けて通れません。
園芸店では、土にまく粒剤として、ベニカXガード粒剤とオルトランDX粒剤をよく見かけます。「どちらを選べばいいの?」と迷う方も多いと思います。
まずはベニカXガード粒剤とオルトランDX粒剤の主な違いを先にお伝えすると、
- 害虫対策が中心なら、殺虫剤のオルトランDX粒剤
- 害虫に加えて、病気の予防もまとめて考えるなら、殺虫殺菌剤のベニカXガード粒剤
適用表では、ベニカXガードにうどんこ病や灰色かび病などの病気の記載があります。オルトランDXに、病気の記載はありません。
この記事では、KINCHO園芸の公式情報(商品ページと適用表)をもとに、2つの違いを整理しました。比べるのは、粒剤タイプのオルトランDX粒剤です。
2つの違いを比較表でチェック
| 項目 | ベニカXガード粒剤 | オルトランDX粒剤 |
|---|---|---|
| 種類 | 殺虫殺菌剤 | 殺虫剤 |
| 有効成分 | クロチアニジン0.10%、Bt菌10.0% | アセフェート2.5%、クロチアニジン0.25% |
| 病気への働き | Bt菌の作用で植物の抵抗力を高め、病気を予防する | 殺菌成分の記載なし |
| 害虫への働き | 殺虫成分が根から吸収され、葉の隅々まで行きわたる | 浸透移行性の殺虫成分2種類。葉につく害虫と土の中の害虫を同時に防除 |
| 効果の持続 | 公式ページに日数の記載なし | アブラムシで約1ヵ月 |
| 容量 | 250g、450g、550g | 200g、1kg(袋入) |
| 登録番号 | 第24274号 | 第21733号 |
共通点は、どちらもクロチアニジンを含むことです。
ここに、ベニカXガードはBt菌が、オルトランDXはアセフェートが加わります。
適用表で見る使用量の違い
使用量は、作物ごとに決まっています。ここでは、例として、花き類・観葉植物の欄と、トマトの欄を比べます。
花き類・観葉植物の欄
ばらなど一部の植物は、製品ごとに別の欄があります。
ベニカXガードでは、ばら、ガーベラ、バーベナが別の欄です。オルトランDXでは、ばら、ベゴニア、はぼたん、ガーベラが別の欄です。
| 項目 | ベニカXガード粒剤 | オルトランDX粒剤 |
|---|---|---|
| アブラムシ類 | 5g/株(1㎡あたり100gまで) | 1g/株(1㎡あたり40gまで) |
| 使用時期 | 発生前~発生初期 | 発生初期 |
| 使用方法 | 生育期に株元散布 | 生育期に株元処理 |
| 病気 | 灰色かび病(発病前に使用) | 記載なし |
| 総使用回数 | 適用表で確認してください | 本剤4回以内、アセフェート5回以内、クロチアニジン4回以内 |
トマト(アブラムシ類)
| 項目 | ベニカXガード粒剤 | オルトランDX粒剤 |
|---|---|---|
| 使用量 | 5g/株 | 1g/株 |
| 使用時期 | 定植後(収穫前日まで) | 定植時 |
| 使用方法 | 株元散布 | 植穴処理、土壌混和 |
製品ごとに濃度が違うため、使用量の数字の大小だけで効き目は比べられません。育てている植物の欄を、必ず適用表で確認してください。
ベニカXガード粒剤の特徴
ベニカXガード粒剤は、「家庭園芸初」をうたう粒タイプの殺虫殺菌粒剤です。
種まきや植付けのときに土へ混ぜ込むか、植付け後に株元へばらまくだけで使えます。
Bt菌の作用で植物の抵抗力を高め、丈夫にすることで病気を予防します。
この仕組みは「抵抗性誘導」と呼ばれています。
病気に使う場合は、発病前の使用が条件です。
公式ページにも、発病後では十分な効果が得られないと書かれています。散布は一ヵ所に集中せず、均一にまいてください。
オルトランDX粒剤の特徴
オルトランDX粒剤は、浸透移行性の殺虫成分を2種類配合した殺虫剤です。
土にばらまくと植物に吸収され、植物全体を害虫から守ります。
予防的な効果は、アブラムシで約1ヵ月続きます。
散粒ボトル入りの製品もあり、鉢植えなどの害虫対策におすすめとされています。公式ページの注意は、次のとおりです。
- 一部の害虫(ばらのアザミウマ類、コガネムシ類幼虫、クロケシツブチョッキリ、チュウレンジハバチ)には、鉢植え以外で使うと効果が劣ることがあります。
- 栽培本数が多いときは、1㎡あたり40gを超えないよう、1株あたりの量を調整します。
使用回数の考え方
適用表の「総使用回数」は、その製品だけでなく、同じ有効成分を含む農薬を合わせた回数の制限です。
どちらもクロチアニジンを含むため、使い分けるときや、他のクロチアニジン入りの薬剤と一緒に使うときは、合計の回数を意識してください。
作物ごとに回数が違うため、適用表で確認してください。
場面別の選び方
- 害虫対策が中心なら、オルトランDXが選択肢になります。散粒ボトル入りは、鉢植えにも使いやすい形です。
- 害虫だけでなく、うどんこ病などの病気の予防も考えたいなら、ベニカXガードを検討してください。
- すでに病気が出ている場合、ベニカXガードでは十分な効果が得られないとされています。お近くの販売店などに相談してみてください。
安全に使うための注意点
共通の注意
- 商品の説明をよく読み、使用量、使用時期、使用方法を守ってください。
- はじめて使う作物や新品種では、事前に薬害の有無を確認してください。
- 体調のすぐれないときは散布しないでください。
- ミツバチと蚕に影響があります。
ベニカXガードの注意
- 眼に入らないように注意してください。眼に入ったときは、直ちに十分に水洗し、眼科医の手当を受けてください。
- 皮ふに付いたときは、直ちに石けんでよく洗い落としてください。
- 使用時は、保護メガネ、農薬用マスク、手袋、長ズボン、長袖の作業衣などを着用してください。作業後は、手足や顔を石けんでよく洗い、洗眼・うがいをして、衣服を換えてください。
オルトランDXの注意
- 散布中と散布当日は、小児やペットが近づいたり立ち入らないようにしてください。
- 周辺の桑葉と、ミツバチの巣箱およびその周辺にかからないようにしてください。
- マルハナバチを利用する場合は、使用後20日目ごろより後に導入してください。影響日数は環境条件によって変わることがあります。
まとめ:ベニカXガード粒剤とオルトランDX粒剤の違い
ベニカXガード粒剤とオルトランDX粒剤は、どちらも土にまくだけで使える粒剤で、クロチアニジンを含みます。違いは、次の3点です。
- 種類:ベニカXガードは殺虫殺菌剤、オルトランDXは殺虫剤です。適用表で、病気の記載があるのはベニカXガードだけです。
- 成分:ベニカXガードはクロチアニジンとBt菌、オルトランDXはアセフェートとクロチアニジンを含みます。
- 使い方:使用量や使用時期は、作物ごとに決まっています。花き類・観葉植物のアブラムシ類では、ベニカXガードが1株あたり5g、オルトランDXが1株あたり1gと、製品ごとに違います。
選ぶときは、次の順番で考えると迷いにくくなります。
- 困っていることを確認する:害虫だけか、病気の予防も考えるか。
- 育てている植物の欄を、適用表で確認する:対象の害虫や病気、使用量、使用時期が決まっています。
- 使用回数を確認する:総使用回数は、同じ有効成分を含む農薬の合計で数えます。
- 安全上の注意を確認する:ミツバチと蚕への影響、保護具、お子さんやペットへの配慮を忘れないでください。
害虫対策が中心なら、オルトランDX粒剤が選択肢になります。
害虫に加えて病気の予防も考えるなら、ベニカXガード粒剤を検討してください。どちらも、病気は発病前に使うことが前提で、ベニカXガードは発病後では十分な効果が得られません。
薬剤は、使い方を守ってこそ、お庭の植物を守る心強い味方になります。ラベルと適用表を確認しながら、無理のない範囲で取り入れてみてください。
※本記事は、KINCHO園芸の公式情報に基づいています。適用表は改訂されることがあるため、最新のラベルと適用表をご確認ください。
よくある質問
どちらが長持ちしますか?
オルトランDXは、アブラムシで約1ヵ月の予防的な効果とされています。ベニカXガードは、確認できた範囲の公式ページに持続日数の記載がありません。
病気が出てから使っても効きますか?
ベニカXガードは、発病前の使用が前提です。発病後では十分な効果が得られないとされています。
2つを一緒に使えますか?
確認できた公式情報の範囲では、併用の可否を示す記載は見つかりませんでした。どちらにもクロチアニジンが含まれ、総使用回数は同じ有効成分を含む農薬の合計で数えます。併用を考えるときは、適用表やラベルを確認し、不明な点はメーカーや販売店に問い合わせてください。
地植えの場合は、どちらがよいですか?
オルトランDXは、一部の害虫で鉢植え以外だと効果が劣ることがあります。気になる害虫が決まっているときは、適用表で確認してから選んでください。


